子どもたちの未来の安心を育むために重要な「資産寿命」
ソニーフィナンシャルグループでは事業の礎として、感動できる人生を支える「3つの寿命」を大切にしています。
感動寿命 自分らしく生きる
資産寿命 経済的な健全性
健康寿命 生きる土台
「3つの寿命」のひとつである「資産寿命(経済的な健全性)」は、人生100年時代の暮らしと将来の安心を支える土台です。なかでも、子どものいる家庭にとって「子育て・養育費」は欠かせないテーマといえるでしょう。
2026年度からスタートする「子ども・子育て支援金制度」は、子育て関連の施策を社会全体で支える新たな仕組みで、児童手当の拡充など、子育て世帯にとってさまざまなメリットがあります。
また、子育て世帯を支援し社会の担い手を維持することで、将来にわたって「社会保障制度を守る」という意味では、日本で暮らすすべての人にとって意義のある制度といえるでしょう。
ここでは、制度開始の背景や基本的な仕組み、負担額や受けられるメリットなど、「子ども・子育て支援金制度」について正しく理解するためのポイントをまとめました。
大柴良史さん
社会保険労務士・CFP。株式会社アベリアHRパートナーズ(アベリア人事労務コンサルティング)代表。百貨店勤務を経て、2007年にIT企業へ転職。2011年にCFP資格を取得、2015年に社会保険労務士資格に合格。2017年に独立し現職。現在は個人で社会保険労務士業を行う傍ら、企業の人事労務をサポートする法人を経営。年間1000件余りの労務コンサルティングを中心に、給与計算、就業規則作成、助成金申請等の通常業務からセミナー、記事監修まで幅広く対応している。
※この記事はソニーフィナンシャルグループ株式会社が大柴良史さんにヒアリングし、その内容を元に執筆・編集したものです。
「大規模な少子化対策」を実現するための制度
「子ども・子育て支援金制度」は、子育て関連の施策を社会全体で支える制度です。
制度の背景にあるのは、令和5年12月に政府が策定した「こども未来戦略(通称:加速化プラン)」。令和6年度から令和8年度までの3年間を少子化対策に集中的に取り組む期間と位置付け、総額3.6兆円の子ども・子育て支援拡充を実施すると決めました。
そのための財源の一つが、子ども・子育て支援金制度。世代を問わずに拠出する支援金が「児童手当の拡充」「こども誰でも通園制度」など、さまざまな形で子育て世帯に還元されます。
支援金は、いつから、誰が、どのように負担する?
この支援金は、医療保険料に上乗せする形で徴収されます。対象となるのは、会社員や公務員とその扶養家族が加入する「被用者保険」、自営業者や年金生活者などが加入する「国民健康保険」、75歳以上の方などが加入する「後期高齢者医療制度」。
納付された保険料(支援金)は、協会けんぽや健保組合などの医療保険者を介して国に拠出され、児童手当をはじめとする支援に充てられるという仕組みです。
徴収方法や徴収時期は、加入する医療保険制度によって異なります。
被用者保険の加入者は、2026年4月分から支援金の徴収がスタート。同年5月の給与から天引きされる形での徴収が決まっています(※従来の社会保険料と同じく、事業主と従業員の折半)。
また、国民健康保険加入者および後期高齢者医療制度の加入者については、2026年6〜7月に、徴収開始時期や支援金額を記載した納入通知書が送付されることになっています。
新しい税金ではなく「医療保険料」とあわせて徴収する理由
子ども・子育て支援金制度は、子育て支援であると同時に、「社会保障制度全体の持続可能性」に関わる政策です。
つまり、子育てを支援することで人口減少を食い止め、将来にわたって社会の担い手を維持することも大きな目的の一つ。
そのため、支え合いの仕組みである社会保険料を主な財源とし、国民全体で支える仕組みとなっています。
「毎月の負担額」は年収や加入する医療保険制度によって異なる
気になる一人当たりの負担額ですが、個人の所得や世帯年収、家族の人数などによって異なります。たとえば会社員や公務員の場合、通常の医療保険料と同様に、標準報酬月額に基づいて支援金の額が計算され、収入が高い人ほど負担も増えます。
そのため、どれくらいの負担増になるかは一概にいえませんが、「こども家庭庁」のウェブサイトに令和8年度の支援金額(平均月額)の推計および、年収別の支援金額の試算が記載されているため、一つの目安として参考にしてください。
※「子ども・子育て支援金制度について」(こども家庭庁)をもとにソニーフィナンシャルグループ株式会社が作成
※「子ども・子育て支援金制度について」(こども家庭庁)内「医療保険制度ごとの年収別試算」をもとにソニーフィナンシャルグループ株式会社が作成
子育て世帯にどんなメリットが? 具体的な支援内容は6つ
では、この制度によって子育て世帯にはどんなメリットがあるのでしょうか? 具体的な支援内容は、主に6つ。幅広い世帯に多くの支援が行き届くよう、多角的な施策が展開されます。
児童手当の拡充
児童手当は令和6年10月分から制度改正により大幅に拡充されています。具体的には所得制限が撤廃され、収入の多寡を問わずすべての子育て世帯が支給対象となりました。
また、これまで中学校卒業までだった支給対象年齢も「18歳になった最初の年度末まで」となり、支援期間が拡大されています。さらには、第3子以降の支給額が月額1万5000円から3万円へと大幅に増額されました。支給回数も見直され、従来の「4か月に1回」から「2か月に1回」へと変更されました。
妊婦のための支援給付
妊娠時に5万円、出産時に出産数×5万円の給付が受けられる制度です。こちらも令和7年4月から先行して支給がスタートしていますが、給付金の位置付けが見直されています。
従来の「交付金」から、子ども・子育て支援法に基づく給付制度として位置付けられ、全国一律で実施されることとなりました。制度化により、安定的な給付が見込まれるようになっています。
こども誰でも通園制度
保育所などに通っていない子ども(0歳6か月〜2歳)の保護者が、月10時間まで保育施設などを利用できる制度で、令和8年4月から給付化されます。
従来、子どもを保育園に預ける際には共働きや育休復帰、介護といった「理由付け」が必要でした。しかし、「こども誰でも通園制度」では、月10時間までは理由を問わず利用が可能になります。たとえば、「育児から少し離れて自分一人の時間を持ちたい」など、育児の精神的な負担を軽減することを目的としています。
出生後休業支援給付
両親ともに一定期間の育児休業をした場合に、育児休業給付金の給付率が引き上げられる制度です。通常の育児休業給付金は180日までは賃金の67%までを支給するという決まりになっていますが、「出生後休業支援給付」によってそこから13%上乗せされ、賃金の80%までが支給されることになります。
ただし、ずっともらえるわけではなく、出産後8週間以内に取得した育児休業のうち、最大28日間までの支給という要件になっています。
育児時短就業給付
2歳までの子どもを持つ従業員が育児中に時短勤務をする場合、時短勤務時の賃金の10%を支給する制度で、令和7年4月から先行して支給がスタートしています。フルタイム勤務が難しくなり低下した賃金の一部を、カバーすることができます。
国民年金第1号被保険者の育児期間に係る保険料免除措置
これまで国民年金第1号被保険者は産前産後期間の約4か月に限り、保険料の免除措置がありましたが、新たに、子どもが1歳に到達するまでの育児期間についても保険料を免除する制度が創設されました。これにより、女性だけでなく男性も対象になるため、フリーランスで事業をされている方などの積極的な育児参加の推進などが期待されています。
子育てを全世代で支える社会的な意義とは?
「子ども・子育て支援金制度」は、子育て世帯を対象とした支援制度であるため、子どものいない世帯や独身の方、子育てが終わった世帯にとっては負担が増すばかりで、メリットがないように捉えられがちです。
ただ、繰り返しになりますが、子育てを支援することで人口減少を食い止め、将来にわたって社会の担い手を維持することも、この制度の大きな目的の一つです。社会の担い手が減ってしまえば、これまでの日本社会を支えてきた「世代間扶養」というシステムが成り立たなくなり、これまでのように低額で高品質の医療サービスを受けることも難しくなる可能性があります。年金・介護についても同様です。
つまり、少子化対策は子どもを持つ方だけでなく、日本で暮らすすべての人にとって無関係とはいえない重大施策であり、全世代負担型の「子ども・子育て支援金制度」は、回り回って子育て世帯以外の方にとっても意義のある制度といえるでしょう。
一方で、制度の負担の受け止め方は立場によって異なり、今後の運用や効果については注意深く推移を確認していくことも重要です。
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